■ 川合玉堂 ■　紙本肉筆日本画 “渓村帰駄”（箱書：川合修二）　＜230123029＞

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（株）賢祥堂美術オークション
Gallery KENSYODO Auction

*■ 川合玉堂 ■　紙本肉筆日本画 “渓村帰駄”（箱書：川合修二）　＜230123029＞*

作品データ

本紙 26.6cm×9cm

軸 148.6cm×26.8cm

わずかにウブシミが見られます。

川合玉堂

明治6年11月24日、愛知県葉栗郡に生れた。
本名は芳三郎、晩年の別号に偶庵。
明治20年14歳の時京都に出で、望月玉泉の門に入り玉舟と号した。
同23年幸野楳嶺の門に移って玉堂と改め、
第3回内国勧業博覧会に出品し、はやくも褒状を受けた。
その後、日本青年絵画協会、京都市美術工芸品展覧会、日本美術協会等に出品。
明治28年師楳嶺の死に遭ったが、
第4回内国勧業博覧会に「長良川鵜飼」を出品して3等銅牌を受けた。
この博覧会で橋本雅邦の「龍虎図」「釈迦十六羅漢」を見て感動し、
翌29年上京して雅邦の門に入った。
明治30年代には、
主として日本絵画協会、日本美術院総合絵画共進会に出品して屡々受賞。
明治40年東京府勧業博覧会に審査官として「二日月」を発表して1等賞。
文展の審査員を命ぜられ、以後毎年審査員として文展に出品。
明治41年玉堂を中心として芸術を論じ、風流を楽しむ山水会が生れ、
以来30年の間つづく。
同42年彼の長流画塾を中心とする下萌会が生れて展覧会を催した。
大正4年東京美術学校教授を拝命。
大正6年帝室技芸員を拝命。
同8年帝国美術院の創立とともに同会員に挙げられる。
同13年大観、栖鳳など日本画壇の長老たちと淡交会を結成、毎年展覧会を開いた。
昭和12年帝国芸術院会員。
同15年多年の功労によつて文化勲章を授与。

玉堂は、はじめ四条派を学んだが、それにあきたらずし転じて雅邦に師事した。
従ってその初期の作品には楳嶺流の写生派の感化を示しているが、
明治30年頃からの作品には狩野流の線描が目立つ。
しかし、明治40年の「二日月」では雲煙の表現に新意を開き、
以後その個性的な線描と雲煙表出による水墨に新境地を発展させて行った。
また、大正5年の「行く春」などあたりから色彩と線描との調和に腐心し、
次第に成果をおさめた。
晩年にはむしろ色を抑えた墨を主とした作品が多く、
昭和25年の「吹雪」、同27年の「暮雪」、同29年の「月天心」などは
その中のすぐれた作品である。
主に日本的な題材を穏和な日本的な手法で表現したが、
俳味ゆたかな小品にもすぐれた作品をのこしている。

※タイトル末尾の数字は管理番号です。

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